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湯治とは – たわらやまの旅と未来会議

湯治とは

湯治とは

湯治とは、温泉に長期間(1~3週間前後)滞在し、心身の療養や保養にあたることを指します。昔から、農閑期(田植えの前、収穫の後)に農民が1~2週間湯治場に滞在することや、リウマチ・神経痛・アトピー・ガンなどの療養のために多くの人が訪れていたましたが、湯治の目的は、病気の療養のみではなく、心理的・精神的な効果も高いと言われています。また、飲泉、マッサージ、温熱療法、土地の旬の食べ物、景色、地域住民との交流なども湯治の価値であり、湯治場の風土や環境に身を置くことで、暮らしるように滞在できることも、単なる観光温泉と湯治の違いであると言える。

湯治において大切なのは、「○○をしたからよくなる」という結果だけでなく、湯治中に変化していく心身の変化の過程(プロセスや一連の流れ)を感じることにあります。痛みの軽減、逆に、好転反応で痛みが出るなどの、結果のみにとらわれるのではなく、自らの心身の変化を体感することで、普段は気づくことができなかった新しい自分と出会うことができます。

自然との一体感を感じるのに、温泉地ほど適している場所はなかなかありません。湯上がりで軽く汗をかいている状態で、建物の外に出ると自然の風を肌に感じ、自然と笑みが溢れる瞬間は至福の時となります。そのまま、浴衣を着て古い街並みを歩きながら、自分の部屋に戻るもよし、街を歩くもよし。ご自身なりの湯治場スタイルを楽しんでいただければ幸いです。

 

湯治とは、人間が自然のリズムを取り戻すための時間

「湯治=不健康な状態を健康にする」と思われがちだが、湯治場の真の目的は、人間が自然のリズムを取り戻すことである。現代人は24時間365日、常に時間や忙しさに追われており、「自分自身と向き合う時間」を持つことがなかなかできません。また、リフレッシュのために一泊二日、二泊三日などで観光温泉に訪れても、観光地を巡るために忙しく移動し、決められた食事を食べ、慌ただしく温泉に入り、お酒を飲んで眠り、朝には出発をすることも少なくありません。

俵山温泉での湯治とは、「なにもしないをする」ことで、今までの働き方や生き方に一度区切りをつけ、自分自身と向き合い、自然体を取り戻していくためのものとなります。山間に位置する俵山温泉は、街中の雑踏を離れ、静けさの中で過ごすことができるだけでなく、情報を意図的に遮断し、自分自身の感覚を感じ、味わうことができる場所となっています。

 

俵山温泉での過ごし方

昔から湯治は「七日一回り、三回りを要す」と言われ、七日を一セットとし、それを三回繰り返すことが良いと言われています。湯治は忙しい日常生活を離れ、心身の休息を行う最高の贅沢であるため、1日2-3度の入浴を限度に、食事、昼寝、散策、読書、睡眠を存分に味わうことをおすすめします。俵山温泉は1時間前後で街歩きができるちょうどいい大きさの集落で、目が届きやすいことから防犯・治安の面でも安心して滞在することができます。

また、今はなくなっていますが、湯治場には共同の炊事場が存在し、そこでは湯治客同士の交流が行われていました。食事は、健康を考える上で最も重要な指針の一つです。自分で何を食べるのか、何をつくるのか、どんな食材を選ぶのかを意識することで、与えられた食事や無自覚に食べていたものを再認識する機会をつくるため、現在、(株)CCJを中心に、シェアキッチン(共同炊事場)のオープンに着手しています。

 

【湯治で得ることができる効果】

リウマチ、神経痛、慢性関節痛、喘息、糖尿病、高血圧、動脈硬化、アトピー性皮膚炎、乾癬、心身症、ストレス性疾患、悪性腫瘍などに対する症状の改善

【湯治のキーワード】

三助(さんすけ)、湯女(ゆな)

【統合医療(ホリスティック医療)としての湯治場】

統合医療とは、症状や痛みのある部分だけに着目するのではなく、心身全体を一つのシステムとして捉える考え方です。健康とは、「病気ではない状態」ではなく、精神・身体・感情・環境などが調和している(バランスが取れている)こと、という定義を軸にしています。西洋医療と自然医療の両方をバランスよく活用しながら、真の健康について考える機会にもなる。

【全国の湯治場の試み】

現代湯治の先がけ「長湯温泉」に見る、withコロナの持続可能なライフスタイル

【湯治場で読みたい書籍】

温泉からの思考―温泉文化と地域の再生のために